虹窓の科学 -The Window is Painted-



4.フランスで見つけた「虹窓」


初めに私自身、西欧に生まれ育ったわけではなく多少偏見が混じってしまうのは了承してほしい。実は日本の金屏風的扱いをしている例はあるがここでは説明を省かせてもらう。
教会など宗教的な建築物を訪ねると中間的な「虹窓」的現象は見あたらなく、「光と闇」を強調している。ステンドグラスは最たる物であろう。闇の中にくっきりと浮かび上がる色彩豊かな肖像は天から降り立つ神の存在を表現しているかのようである。コルビジェの作品の中にも明らかにこのステンドグラスの手法を取り入れた教会がある。しかし、私が注目に価するのが、ラ・トゥーレット修道院の「光の大砲」と呼ばれる3つのトップライトである。このトップライトは筒状で空のいろんな方向に向いていて、その内一つの内側は白に塗装されていて、その方向の映り変わる微妙な空の変化を増幅する効果が認められた。「虹窓」の手法にはとうてい及ばないが考え方としては近い物が感じられた。

    

    


1.「虹窓」との出逢い
2.「虹窓」の原理
3.「陰影礼賛」は日本の光?
4.フランスで見つけた「虹窓」
5.日本のあかりの機能的な側面
6.「虹窓」は環境投影装置

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